枝雀さんの「青菜」

「青菜」のサゲについてちょっと申し上げましょう。私はサゲを、言うことがなくなった植木屋がぐっとつまり、生理的にもつまりにつまってふくらませすぎた風船が破裂するように「・・・・。弁慶！」と言うようにしています。もう植木屋にしてみたら「こんなこと言いとうないけど言わなあしょうない」という事態に追い込まれて爆発するわけです。
以前、東京のあるかたの「青菜」を聞かせていただいた時、植木屋の一言を登場人物を離れて演者自身に戻って「弁慶にしておきねえ」と言われたので、「このオッサン何考えとんねん」と思ったことがあります。
そのころは、セリフでサゲを言う場合は絶対登場人物の気で言わないかんーとかたくなな信念がありましたから、そう感じたのでしょう。

枝雀師匠の一本気な真面目さが出ていますね。